2023年6月17日13:00~17:00
早稲田大学大隈記念タワーにて実施しました。
次回は未定です。2024年11~12月の開催のIB講座において、本講座は休講となります。
受講はリモート(zoom)がお勧めです。
リモートでは受講数日前にテキストの入手とエクセルツールがダウンロードできますので、
事前の予習と講義中にハンズオンでツールを使いながら学習できます。
対面の場合は、当日のテキスト配布となります。インターネットアクセス可能なノートパソコン(エクセル使用可能)の携帯を推奨します。
概要
コーポレートガバナンス・コードが改訂され、上場企業には、自社の資本コストを意識した経営戦略、経営計画を行うことが義務付けられました。 本テーマは、目下注目を集める一方で、一般にとっつきにくいといわれる資本コストについて理論的な背景を深く理解し、それに伴い実務への応用力を高めることを目的とします。 前半は基本概念、後半は実証分析とケーススタディという構成で、伝統的なCAPMを使う際の留意点から、個別銘柄の属性を考慮したファンダメンタルベータやサイズプレミアムといった、より高度なアプローチまでの一通りを、ロジックとデータを用い、実証を踏まえながら詳しく説明していきます。
シラバス
Session 1 資本コストとは何か
- コーポレートガバナンス・コード
- スチュワードシップ・コードとの関係
- 投資家と経営者それぞれの見方
- PBRとROEの関係からの示唆
- ROE8%基準を市場はどのように見ているか
- ヒストリカルとクロスセクションでの比較
- グローバルでの比較
- リスクと資本コスト
- 損失確率と標準偏差
- 投資家のリスク回避と市場センチメント
- DCFモデル
- リスクの対価としての要求リターン
- 企業価値評価の推定誤差要因
Session 2 マーケットリスクプレミアムの推定とCAPM
- マーケットリスクプレミアムは誰が決めるのか
- ヒストリカル法
- 株式市場の実績リターン考察
- 長期的な視野と直近の状況
- グローバルでの比較
- インプライド法
- 市場のコンセンサスから逆算したリスクプレミアム
- T-モデルとゴードンモデルによる市場プレミアム
- インプライド法の種類と特徴
- CAPMが成り立つ世界で企業価値評価をすると何が起こるのだろうか
- 前提条件と現実の差に起因する注意点
- ハードルレートとCAPM
- 上場企業と非上場企業は異なるのか?
- ケーススタディ
Session 3 ベータを推定する
- 銘柄ヒストリカルベータ
- 不安定な指標
- いくつかの改良
- 情報ベンダーが提供するベータ
- 業種ヒストリカルベータ
- 業種の特性を示したベータ
- ファンダメンタルベータ
- ファンダメンタルベータとは何か
- ベータを決める要因~業種と財務指標
- Barraモデルと株主資本コスト推定に適したベータ推定モデル考察
- ベータでは捉えられないプレミアム
- サイズプレミアム/カントリープレミアム
- ケーススタディ
- ヒストリカル法による推定
- ファンダメンタル法とボトムアップ法による推定
Session 4 サイズプレミアム検討
- サイズプレミアムの存在を検証する
- Fama-Frenchモデル
- ボラティリティはサイズプレミアムの代替となるか
- インプライド法による推定
- 未上場企業の資本コスト
- ケーススタディ
Session 5 発展的な話題~海外企業の資本コストとカントリープレミアム
- 海外企業の資本コスト
- 海外企業の評価と通貨の関係
- キャッシュフロー通貨の変換
- スポットレート法とフォワードレート法
- 先進国の場合
- 新興国の場合
- 留意点
- 先進国の資本コスト推定
- ローカルCAPM
- サイズプレミアムの考え方
- 新興国の資本コスト推定
- リスクプレミアム修正
- 信用スプレッドによる補正
- データの取得と一貫性
- 信頼性の高いベンダーの利用
Appendix 参考資料
- ヒストリカルベータの計算方法
- ベータ値の予測精度
- ベータ推定モデルの考え方
- ファンダメンタルベータ詳細
- サイズプレミアム詳細
- 算出方法
- サイズプレミアムとボラティリティ・流動性の関係
- Fama-Frenchモデル
- インプライド法によるサイズプレミアム
- グローバルCAPM
- 各種資料
- カントリーベータ
- インプライド法による国別リスクプレミアム
- CDSによる国別信用スプレッド
- GICS産業サブグループによるグローバル業種ベータ
- 計算ロジック詳細