実務で使われる金融工学の基礎

2022年 9月16日(金)10:00~17:00
に実施しました。
次回は 2023年3月頃の予定です。

受講はリモート(zoom)がお勧めです。
リモートでは受講数日前にテキストの入手とエクセルツールがダウンロードできます。
事前の予習と講義中にハンズオンでツールを使いながら学習できます。
対面の場合は、当日のテキスト配布となります。インターネットアクセス可能なノートパソコン(エクセル使用可能)の携帯を推奨します。

概要
 金融工学・ファイナンス理論は運用業務のベースとして広く使われていますが、一般的にわかりにくい印象をもたれています。本講義では、金融工学を基礎の基礎から実際の運用へ到るロードマップを示した上で、確率・統計が苦手な方にも直感的に理解できるように、エクセル・スプレッドシートのデモによりわかりやすく説明します。
 特に、マルチファクターモデルについて、本格的な学習用モデルを通じ、動作原理から利用方法に到るまで詳細に紹介します。講義で用いたツール類はダウンロードできますので、後日の復習に活用できます。運用業務に直接関わる方の他、ミドル部門や商品企画、マーケティング部門の方にもお勧めできるプログラムです。

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シラバス

Session 1 金融工学への導入としての確率・統計

  • 1. 導入 ~ リターンとリスク
    • リターンの不確実性とは ~ 不確実な資産価値の変化をどう捉えるか
    • リスクをどうやって定量的に表すか ~ リターンの2乗平均の意味
    • リスクの大きさと資産変動 ~ 標準偏差の大きさによる違いをシミュレーション
  • 2. リターンの確率分布とリスクの関係 ~ ランダムの中の規則性
    • リターンの分布 ~ グラフにすると分かりやすい
    • リスクと確率分布 ~ リスクを定量化するとはどういうことか?
    • リターンの確率分布の比較 ~ TOPIXと国債インデックスの違いを数値で表す
    • 確率分布の特徴 ~ 性質をおおまかに特徴づける
    • 正規分布の性質を理解する ~ ポートフォリオのリスクも個別銘柄と同様
    • リターンの正規分布仮定 ~ 確率変動の扱いを楽にする
  • 3. リスク推定方法 ~ 理屈より目的
    • 実際の資産のリターン分布と性質 ~ 標準偏差だけでは計測できないリスクの存在
    • 分散・共分散の推定方法 ~ オプションのIV or ヒストリカルデータ
    • 実用的なリスク推定方法 ~ 単純法と指数減衰法
  • 4. 相関係数と回帰分析 ~ ポートフォリオ理論への導入
    • 2つの確率変数 ~ 株式の日次リターンを確率変数と考える
    • 相関係数 ~ 確率変数の動きから相関関係を捉える
    • 回帰分析 ~ 標準偏差を等しくする

Session 2 ファイナンス理論と実務の接点

  • 1. ポートフォリオ理論 ~ よい投資とは何なのか
    • ポートフォリオ理論の基本的な考え方 ~ ポートフォリオの期待リターンとは?
    • ポートフォリオのリスク ~ 3資産で効率的フロンティアを描くとどうなる?
    • ロボアドバイザーの裏側 ~ 基本原理は極めてシンプル?
  • 2. アクティブ ~ ウェイト・リターン・リスク
    • アクティブ運用とパッシブ運用 ~ ファンドマネジャーは何をコントロールしているのか
    • ウェイトとリスク・リターン ~ アクティブウェイトとベンチマークウェイト
    • アクティブリスク(トラッキングエラー)の推定 ~ 原理はトータルリスク推定と同じ

Session 3 ファクターモデルの活用

  • 1. ファクターモデル ~ リターン相関の構造
    • ファクターモデルの位置付けと考え方 ~ 複数の銘柄を共通に動かす要因を探る
    • なぜ銘柄間に相関があるのか
    • ファクターモデルと共通要因 ~ 銘柄間の相関構造を明らかにする
    • ファクターモデルの構造と用途 ~ どんな時に利用するのか
    • ファクターモデルと銘柄情報
    • 情報の集約 ~ ファクターモデルは大量の情報を集約するための有用なツール
    • ファクターモデルによる分析例 ~ リスクインデックス・エクスポージャー
  • 2. シングルファクターモデル ~ マーケットが相関の源
    • β(ベータ)の求め方 ~ β値の特性を理解する
    • シングルファクターモデルと銘柄間相関 ~ ファクターに対するβ値から相関を求める
    • 期待リターンとリスク ~ 銘柄のリターンとリスクはどこからくるのか?
    • リターンとリスクを分解する仕組み ~ リターンもリスクもファクターモデルで分解できる
    • シングルファクターモデルの活用と応用範囲
    • 2銘柄で考えよう ~ 個別銘柄の具体例と各種数値の前提
    • β(ベータ)の合成
    • ポートフォリオのリターン分解とリスク分解 ⇒ アクティブリターン・リスク分解
    • シングルファクターモデルとアクティブ運用
    • アクティブポートフォリオ構築(Excelによる最適化デモ)
  • 3. マルチファクターモデル ~ 複数の相関の源
    • マルチファクターモデルの基本構造 ~ モデル形式と銘柄相関
    • ファンダメンタルズベータ ~ マルチファクターモデルからの計算方法
    • 実務で多く使われるモデル ~ Barraのスタイルファクターと業種ファクター
    • 感応度先決め型(1)~ ファクターリターンとファクター感応度
    • 感応度先決め型(2)~ ファクター標準化とファクター共分散
    • 感応度先決め型(3)~ スペシフィックリスク推定モデル
    • マルチファクターモデルの活用 ~ 理論から実務へ
    • トータル分解とアクティブ分解
    • アクティブリターン分解とアクティブリスク分解
    • ファクターモデルによるアクティブリスク計算 ~ ポートフォリオのリスクは計算で求まる
    • マルチファクターモデルとアクティブ運用(学習用ツールを用いたデモ)~ マトリョーシカ
    • アクティブエクスポージャー ~ アクティブ感応度を変化させる
    • ポートフォリオの設計(Plan)⇒ 最適化とアクティブリスク分解(Do)⇒ ポートフォリオのチェック(See)~ アクティブリターンの要因分解

Session 4 アルファの獲得とクオンツ運用

  • 1. クオンツ運用 ~ 一番わかりやすい運用
    • ポートフォリオ構築プロセスの全体像
    • アノマリー ~ 存在理由を知ることによる効果的な活用
    • アルファの合成 ~ アノマリーをアルファへ変換する
    • アルファ構築の流れ ~ AI運用?
    • クオンツファンド ~ 決められている条件と決めるべき条件
    • ポートフォリオ構築へ ~ 取るべきリスクと取ってはいけないリスク
    • ポートフォリオ最適化とシミュレーション ~ 幻想ではなく現実を見るために
  • 2. インフラ ~ 大変です
    • データベースの構築と求められるもの
    • 考慮すべき点 ~ 高速性と網羅性と正確性のトレードオフ
    • 社内分析環境 ~ 原データ → クリーニングデータ → 加工データ → ツール
    • 各種ツール ~ 目的別に要求されること